目的

 

 

 

  

 

会長挨拶

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本人権教育研究学会は,多様な方法を統合して,真の科学的・客観的な人権教育に関する研究を促進,発展させることをねらいとし,2001年に設立しました。2008年には,日本学術会議協力学術研究団体の指定を受け,日本学術会議との緊密な協力関係を保ちつつ,情報発信をしていくことを目的としております。

 

日本人権教育研究学会 会長挨拶

21世紀は「人権の世紀」と言われ,国際連合は総会において,1995年から2004年までの10年間を「人権教育のための国連10年」と決議し,我が国でも内閣に「人権教育のための国連10年推進本部」が設置され,国内行動計画が策定されました。
1997年に施行された人権擁護施策推進法に基づき設置された「人権擁護推進審議会」の答申をもとに,2000年には,「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が公布,施行されました。この間,1999年には,「男女共同参画社会基本法」が施行されています。
さらに,2016年には「女性活躍推進法」,「障害者差別解消法」,「ヘイトスピーチ解消法」,「部落差別解消推進法」が,2019年には「アイヌ施策推進法」が施行されるなど,人権課題の改善に向けての動きは活発化しています。また,同年には,「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」が施行され,「全児童生徒が豊かな学校生活を送り,安心して教育を受けられるよう,学校における環境の確保」がめざされるようになっています。
しかし,近年は,インターネットによる人権侵害,新型コロナウイルスの感染拡大に伴う差別など,新たな人権課題が指摘されており,個々の人権意識の醸成が強く求められるようになっています。また,法律が整備されたとはいえ,多様性や多文化共生が叫ばれる昨今,すべての子どもが等しく,その能力に応ずる教育を受けるための機会を保障していくことについては,多くの課題が残されています。多岐にわたる人権課題の克服をめざして不可欠になるものが人権教育であり,その研究の継続,発展が急務であることは言うまでもありません。そのためには,大学関係者ばかりでなく,学校教育現場の教職員をはじめ関係機関と連携しながら,学際的な研究を発展させることが必要であると考えています。
私たち日本人権教育研究学会は,科学的で,実証的な研究方法を十分に活用することを大切にしています。また,人権に関わる関連諸科学の多様な研究方法を統合して,客観的な人権教育に関する研究を促進,発展させることも大切にしています。
とりわけ,本年(2022年)は水平社宣言100年の節目の年であり,私たち日本人権教育研究学会の役割を再認識しなければなりません。

こうした本学会の趣旨をご理解いただき,多くの方々が本学会の活動に参加されることを願っています。

2022年4月1日

日本人権教育研究学会 会長 米田豊